誰かの話。10
「あなたの事がずっと羨ましかった。
私は11人兄弟だったから、屋敷には召使いがいたけれど、
私が住んでいた地域では、
『女が3人生まれたら、その家は廃れる』
って言われてたの。
だから、私が生まれた時、
生まれた事だけで悪い事の様に言われた。
女として生まれただけでね。
あなたも女として生まれたけれど、
生まれた場所も違うし、長女でしょ?
それに初めての女の子の孫だったし、
あちらの地域では、女が生まれるのって、
とても縁起の良い事とされていたのよね。
みんな喜んでた。
祝福されて生まれて来た事が、
同じ女なのにどうして?って、
悔しかった。」