誰かの話。11
「俺は、気になる子が出来たら、
自分の行きつけの美味しいご飯屋さんに連れて行くんです。
それで、いつもよりご飯が美味しく感じたら、
告白するんですよ。」
誰かの話。10
「あなたの事がずっと羨ましかった。
私は11人兄弟だったから、屋敷には召使いがいたけれど、
私が住んでいた地域では、
『女が3人生まれたら、その家は廃れる』
って言われてたの。
だから、私が生まれた時、
生まれた事だけで悪い事の様に言われた。
女として生まれただけでね。
あなたも女として生まれたけれど、
生まれた場所も違うし、長女でしょ?
それに初めての女の子の孫だったし、
あちらの地域では、女が生まれるのって、
とても縁起の良い事とされていたのよね。
みんな喜んでた。
祝福されて生まれて来た事が、
同じ女なのにどうして?って、
悔しかった。」
誰かの話。09
「うちのお父さん、変な人で。
この前いきなり思い付いたみたいで、
辞書を1週間くらい掛けて読んでたのね。
覚えたって言うから、
色んな単語の意味を聞いてみてたんだけど、
みんな覚えてるのよ。
変でしょ?」
誰かの話。08
「あいつのどこがいいの?
バーベキューの時見かけたけど、
今まで見た人の中で、
一番暗い顔してたよ。」
誰かの話。07
「何が食べたい?」
「うーん、じゃあイタリアン!」
「イタリアンいいね。
丁度美味しいお店を知ってるよ。」
「何てお店?」
「内緒。今度連れてくよ。」
誰かの話。06
「ファンから貰ったものの中で、
一番印象に残っているものは?」
「僕の絵ですね。等身大の。」
誰かの話。05
「小さい頃の記憶って、案外ありますよね。
僕は、お腹の中にいた頃の記憶があります。
あったかかったですね。」